第十回 選ぶべきじゃない住宅会社とその理由

前回、
✔資金計画もせずに、いきなり土地を探しだそうとする会社(人)
✔先に土地を不動産屋さんで決めてきて欲しいという会社(人)
✔住宅ローンを銀行に丸投げする会社(人)
✔手当たり次第にたくさん土地情報を集めようとする会社(人)
✔土地が見つかるまでプランを描いてくれない会社(人)
は選ぶべきじゃないとお伝えしましたが、今回はその理由についてお伝えしていきます。

と言っても、その理由はとっても簡単で、要するに自社の商品である『家を売ること(=契約を取ること)しか考えていない』からです。

おそらく、これから家を建てようとお考えのあなたは、30年以上という長い年月で"住宅ローン"を組もうと考えていると思いますが、その間は、ただ"住宅ローン"だけを払っていればいい訳ではなく、もちろん車を買い替えなければいけないわけですし、子供達を大学や専門学校に進学させてやりたいと考えていますよね。また、家族の思い出作りのために時には旅行に行くことだってありますよね。さらに、食費や光熱費も子供の成長とともにどんどん増えていくでしょう。携帯代だって余分にかかってくることになりますよね。

ですから、建てた後の暮らしのことを考えた資金計画がとっても大切になってくるわけなのですが、冒頭に例を挙げたような会社(人)は、明らかに資金計画をおろそかにしたままで家づくりを進めていこうとしています。そうなれば、結果的にあなた自身が無理な住宅ローンを組む事になり、後々苦しい生活を送ることになってしまうんですよね。

確かに住宅会社は『家を建てるプロ』なのですが、それと同時に、あなたにとって初めての家づくりを全力でサポートすべき存在でもあるべきです。そう考えるならば、そして本当に、あなたの将来の幸せを真剣に考えているならば、お金のことや土地の事についてもプロとなるべきなんですよね。

ですから、住宅会社を選ぶときには、前回お伝えした点に注意しつつ、信頼できそうな会社(人)にお願いするようにしていただければと思います。

といっても、"よく足を運んでくれるから熱意がある"という風に勘違いしてしまったり、"ニコニコして感じが良いから信頼できそうだ"という表面的な部分に騙されないようにも、充分に注意してくださいね。

あと、"安さをアピールしてくる会社"や、"やたら値引きをする会社"にも要注意ですよ!

あなたにとっては、安いとか値引きをしてくれるということは嬉しい事だと思いますが、何もないところから造っていく注文住宅では、それが後々あなた自身に跳ね返ってくることになるかもしれませんからね。

ではその理由について、具体的にお伝えしていきましょう。

家の価格は、大きく分けて以下の3つの要素から成り立ちます。
1.職人さんの手間
2.建築会社の利益
3.家の材料代
ですから、家の価格を安くしたり、値引きするということは、この3つのうちのどれか、あるいは全部を安くするしかないわけなんですよね。
では、それぞれ1つずつ考えていきましょう。

まずは『職人さんの手間』についてです。

例えば、あなたが〇〇工務店と契約するにあたり、100万円もの費用を値引きしてもらったとしましょう、(普通ならありえませんが・・・)
そうなれば、その値引きされた100万円は、先ほどの3つの要素にそれぞれ負担がのしかかることになります。
では、職人さんにのしかかった場合どうなるでしょうか?

例えば、1日の手間代が15.000円の大工さんが、90日かけて建てる予定のお家であれば、大工さんに支払う手間代は135万円ということになりますよね。そして、仮にその手間代を工務店側から27万円値引き要求されたとしたら、大工さんは108万円で仕上げなければならなくなります。

そうなれば、大工さんの1日の手間代は12.000円となり、1ヶ月で25日働くとしたら、月間で75.000円も手取りが減ってしまうことになるんですよね。

もし、あなたがこの大工さんの奥さんならどう思います?
月の給料が75.000も減ってしまえば、生活がキツくなりますよね・・・
となれば、この大工さん給料が減らないように仕事するようになりますね。つまり、108万円で仕上げなければいけない家で、15.000の手間代をもらおうと思うなら、90日かけて仕上る予定だった家を、わずか72日で仕上げようとするわけです。
これがどういうことなのか・・ご想像していただければお分かりになりますよね?

そうです。
ご想像いただいたと通り、もしかしたら早く終わらせようと雑な工事になるかもしれないですし、もしかしたら朝早くから夜遅くまで仕事をして近所からクレームの声が上がってきてしまうかもしれません・・・

必ずしもこうなるわけではありませんが、要するにせっかく高いお金を出してローンまで組んで建てたのに、最終的に自分に跳ね返ってしまうかもしれないということなんですよね。
そんなの絶対に嫌ですよね・・・

ですから、安さを売りにしている会社や値引きをしてくる会社は選ばないように気をつけていただければと思います。
それでは次回は、残りの2つの要素についてお伝えしていきますので、お楽しみに\(^_^)/
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第九回 土地を見極めるための3つのポイント

前回、たとえ誰もが欲しいと思う日当たりが良さそうな南側道路の土地であったとしても、"日当たりが保証されそう"というメリットの裏には、案外その日当たりの恩威が受けられる家の設計をすることが難しい・・・とか、割高かつ価格交渉が困難で、即決しなければ誰かに奪われてしまうので、ゆっくり考える時間が無い・・・というデメリットが潜んでるということをお伝えしましたが、全ての土地がこのようなメリットやデメリットを持っているものなんですよね。

これは逆に考えてみると、どんな土地でも設計の工夫やアイデア次第で、その土地が持つメリットを最大限に引き出すことも充分可能であるという事にもなります。
ですから、『高い土地=良い土地』、『安い土地=悪い土地』という固定概念にあまり捕らわれず、資金計画で導き出した予算を意識しながら、その範囲内出土地探しをしていただければと思います。

とは言っても、何を基準に土地選びをすればいいのか分からないと思っている方が多いでしょうから、今回は土地探しにおいて大切な3つのポイントについてお伝えしたいと思います。

では、まず1つ目ですが、『いいな~と思う土地が見つかった時は、最低6回は現地を見に行く事』です。
と言っても、ただ6回見に行けばいつでもいいという訳ではなく、ポイントは"いつ見に行くか"です。
具体的に言うと、『平日の朝・昼・夜』と『日曜の朝・昼・夜』です。

平日の朝が大事な理由は、"日の入り方"はもちろんのこと近隣の方たちの通学・通勤・ゴミ出しの状況などの様子が見られることです。

平日の午後に関しては、もちろん"日の入り方"ですよね。
これは重要な所ですからね!

そして平日の夜が大事な理由は、"外灯があるかどうか"を認識できるからです。
これは以外と盲点となる部分なのですが、大切なお子様の通学に関わってくることなので、昼間だけではなく夜も見に行っていただければと思います。

また、これと同じように日曜日にも朝・昼・夜の3回現地を見に行ってください。
その理由は、平日と日曜では人の行動は全然違うからです。以外にも多くの方が、土地を見に行くのは日曜の日中だけですが、これだけでは環境や近隣の状況はよく分からないものです。
ですから、平日と日曜の両方の朝・昼・夜の近隣の状況や環境を見ていただくことで、より詳しくその土地を把握するようにしていただければと思います。

こうすることで、日曜の午後だけしか土地を見に行かないままで土地を決めてしまい、後から後悔してしまう・・という事を最大限に防ぐ事が出来るようになります。

では、続いては2つ目のポイントである『近所にどんな人が住んでいるかリサーチすること』ということについてお伝えしていきますね。

もちろん、リサーチは不動産屋さんや住宅会社などに任せるのではなく、自分ですることが大事です。
なぜなら。自分が一生暮らしていくことになる土地だからです。

しかし、多くの方が、『聞きに行く時間が無かった・・』とか、『何を聞いたら良いか分からないし、聞きにくい・・』とか、『不動産屋さんに聞いたら心配ないと言っていたから大丈夫だと思った』といったような理由から、自分自身でリサーチをしないまま土地を買っている方が多いんですよね。

おそらくあなたもそうだと思いますが、一生暮らしていく土地ですから、✔近所の人はいい人なの? ✔浸水の心配は大丈夫? ✔地震の時は大丈夫? ✔津波のリスクは? ✔学校までの通学路は安心? ✔病院やスーパーは? ✔自治会は?など、心配な事がたくさんあると思います。

それらの心配要素を消すことができる1つに、市役所や町役場に備え付けてある『ハザードマップ』があります。過去の水災の状況、将来の災害予測、液状化リスク、緊急時の避難場所、学校や病院施設の場所などが記載されている冊子です。これを見れば、その土地のことを多く知ることが出来ます。

しかし、そこでずっと暮らそうと思っているのならば、ただ『ハザードマップ』を見て安心するだけじゃなく、それをもとに、近隣の方に、過去に水災があった時の状況はどうだったのか?や時々起こる集中豪雨の時や台風の時の状況はどうなのか?などの生の情報を教えてもらうようにするべきです。

1つ目のポイントでお伝えしたように、いいなと思ったら6回土地を見に行っていただくようになるのですから、せっかくなので勇気を出して近隣の方に色々と聞いていただければと思います。そうすれば、どんな人が近隣に住んでいるのかも同時に分かることですし、挨拶代わりにもなりますし、一石二鳥にも三鳥にもなりますからね。
これはとっても大事なことなので、面倒臭がらずに思い切ってリサーチしてみてください。

では、最後に3つ目のポイントについてお伝えしていきます。
3つの中で一番重要なのでぜひ参考にしていただければと思います。

3つ目のポイントは、『住宅会社に、一緒に見に行ってもらうこと』です。

その理由は2つあるのですが、まず1つ目は『何も建っていない更地の土地だけを見ても、素人のあなたには、その土地の上に一体どんな家が建てられるのかが想像できないから』です。
ですから、住宅会社の方と一緒に見に行き、あなたが望むような家を建てることが出来るのかということを、アドバイスしてもらうようにすれば、より具体的にイメージが湧くようになるでしょう。
2つ目の理由は『土地以外にかかってくる別途費用が把握出来ないから』です。以前の記事でお伝えしましたが、土地を購入しようと思えば、雑誌やインターネットに掲載されている価格だけで購入することは出来ません。それ以外にもその土地の状況によって様々な費用がかかってくるものです。

これらは、素人のあなたでは調べる事は難しいでしょうし、不動産屋さんに具体的に聞いたとしても、ズボラな調査しかしてくれない可能性の方が高いでしょう。
ですから、住宅会社にしっかりと事前調査してもらうことをオススメします。なぜなら建築するにあたり、その土地がどういう状況になっているのかということは住宅会社にとっては、ものすごく大切なことですからね。

以上の2点から、住宅会社と一緒に土地探しをされることをオススメしています。

ただ、住宅会社ならどこでもいいのか?というと、もちろんそうではなく、✔あなたに無理のない資金計画を立ててくれる会社なのか?
✔住宅ローンに対する知識は豊富で銀行に丸投げしてないか?
✔あなたが建てたいと願う家の予算を先に伝えてくれるのか?
✔建築にかかるお金を後出しせずに正直に話してくれるのか?
✔土地の調査や近隣調査などを快くしてくれるのか?
といった条件を満たす会社(人)が良いと思います。

逆に言えば、
✔資金計画もせずに、いきなり土地を探しだそうとする会社(人)
✔先に土地を不動産屋さんで決めてきて欲しいという会社(人)
✔住宅ローンを銀行に丸投げする会社(人)
✔手当たり次第にたくさん土地情報を集めようとする会社(人)
✔土地が見つかるまでプランを描いてもらえない会社(人)
などは、注意していただければと思います。

では、次回は『なぜこのような会社(人)が要注意なのか?』
ということについてお伝えしていきたいと思います。
お楽しみに\(^_^)/
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第八回 多くの方が土地探しで陥る落とし穴

家づくりをされるほとんどの方がそうであるように、あなたも『日当たりがいい土地を買いたい!』と思っている事でしょう。

この日当たりがいい土地というのは、一般的には敷地の南側に道路が接しているいわゆる『南側道路の土地』のことを指すのですが、太陽の光が一番南側に入る、光を妨害するものが建たないことから、一見日当たりが良さそうに見えるこの南側道路には2つの落とし穴が潜んでます。

まず1つ目の落とし穴ですが、
『土地の値段が一番割高な上、誰もが同じように狙っているため手に入りにくいし、価格交渉をする余地もない・・・』ということです。

ほかの皆さんも、あなたと同じようにせっかくなら日当たりのいい土地を買いたいと思っています。ですから、競合が多い日当たりが良さそうな土地というのは、広告や雑誌に載る前に売れてしまう事がほとんど・・・偶然出会ったとしても、もちろん価格交渉の余地など全くないでしょうし、その土地が良いかどうかも分からない状態で即決を迫られることになるでしょう。

その上、需要が供給を上回るそういった土地は、価格の設定も割高にしてあるでしょうから、土地に予算を使いすぎて肝心の家に予算が回せなくなってしまう・・・あるいは、家まで予算オーバーしてしまうとなると、住宅ローンに負担がのしかかってくることになり、建てた後の生活が苦しくなってしまう事になりかねないというリスクを持っています。

2つ目の落とし穴は、
『日当たりは良いのですが、そのせいで人目が気になる暮らしにくい家になってしまうかもしれない・・・』ということです。
日当たりが良さそうな土地で設計図を描くとしたら、ほとんどの住宅会社が間違いなく南に大きな窓をつくるでしょうし、あなたもそういう設計をきっと望む事でしょう。

しかし少し冷静に考えてみてください('_')!
あなたの土地の南が道路だとしたら、そこには車や人がたくさん通る事になりますよね?そして、近隣の方だけじゃなく知らない方からも家の中が丸見えになるということですよね。

そうなれば、人目が気になリラックスしてリビングで過ごせなくなってしまうので、そこにカーテンを設置し常に閉め切るようになってしまいます。そして、住む前までのカーテンがない状態では、明るくて日当たりが良さそうな家だったかもしれませんが、住みだした途端、人目が気になる事から窓もカーテンも閉め切ってしまい、暗くて風通しが悪い家に一気に変身してしまう事になります。

これでは、なんのために日当たりがいい土地を高いお金を出して買ったのかよく分からなくなってしまいますよね。
ですから、日当たりが良さそうな土地も、設計の時になんらかの工夫をしなければいけないという事を覚えておいていただければと思います。

ということで、誰もが良いと思っている『南側道路』の日当たりが良さそうな土地でさえも、メリットばかりではなくデメリットも持っているので、土地に完璧さを求めることはしないようにしていただければと思います。
では次回は、あなたがどんな土地を探せば良いのか?についてお伝えしていきたいと思います。
お楽しみに(^o^)
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第七回 土地探しにかかるその前に・・・

では、今回は『土地探し』についてお伝えしていきます(^O^)

土地探しでは、まず土地購入のためには一体どういう経費が別途でかかるのかを把握することから始めなければいけません。

想像している以上に、実はいろいろなお金がかかるので、よく覚えておいていただければと思います!

✔土地代金・・・雑誌や新聞広告、それからインターネットに掲載されている費用です。

✔仲介手数料・・・土地の仲介をしてくれた不動産屋さんに支払う手数料です。(最大で、土地代金の3%+6万円に消費税を乗じた金額です)

✔固定資産税清算金・・・前払いしてある固定資産税を引渡しの日を境に日割り計算し、売主さんに支払います。(地域によっては都市計画税も別途でかかることがあります。)

✔境界基礎工事代金・・・分譲地の場合であれば、隣との境に作るブロックやフェンスの基礎費用です。(隣と折半が多い)
隣との境に境界がない場合は、設置しなければいけないこともあるので、土地を買うときにはしっかりとチェックしてください。

✔水道加入金・・・市町村に支払う水道メーター設置や水道の使用権利金です。市町村によって指定の水道管口径が異なり、そうなれば金額も異なってくることになるので、市町村の水道課にて確認することが大切です。

✔所有権移転登記費用・・・土地を購入する際に登記変更をします。あなたの名前になるのです。その手続きの費用になります。また、購入した土地が宅地(家を建てれる地目)になっていない場合もありますのでこちらもしっかり確認をしましょう。

これら6項目は、ほぼ全ての土地で必要になってくるので、しっかり覚えておいてください。

またこれらの他にも、地域によっては排水許可をもらうための"排水負担金"が必要になってきたり、水道が敷地内に引き込まれていない場合であれば、前面道路から敷地内に水道管を引き込むための"水道引込工事費用"が必要になってきたり、畑や田んぼなどの農地を購入される予定であれば、"土の入れ替え工事費用"や"造成工事費用"などが必要になってくるでしょうから、そういった費用も考慮した上で、土地探しをしていく必要があるんですよね。

それらを差し引いた上で土地予算を出し、土地探ししないと確実に予算オーバーしてしまいますから...(*_*)
そのオーバーしたお金は建築費用を圧迫しかねないですし、もしかしたら、余分に借り入れしなくてはいけなくなってしまうことになるので、雑誌や新聞広告、そしてインターネットに載っている土地代以外にも色んなお金がかかるんだということをしっかり把握していただければと思います。

それでは、次回は『多くの方が土地探しで陥る落とし穴』についてお話ししていきますね。
お楽しみに\(^_^)/○_1215582.jpg

第六回 家づくりにかかる諸経費について

それでは、今回は家づくりにかかる諸経費についておつたえしていきますね。
諸経費とは"住宅ローンを借りるときに銀行に支払わなければいけない経費"に"火災保険・地震保険料"、それから土地家調査士や司法書士にしてもらうことになる"登記費用"の3つのことをいいます。

まずは、銀行に支払わなければいけない経費ですが、これは選ぶ住宅ローン商品によってかかる経費が違ってきます。

例えば、固定金利選択型の住宅ローンでは、
✔印紙代 ✔事務手数料 ✔保証料
この3つの経費が必要となるのが一般的なのですが、フラット35であれば保証料はいらないものの、✔融資手数料 ✔印紙代 ✔団体信用生命保険料 ✔つなぎ融資手数料 ✔つなぎ融資金利、といった全く違う経費がかかってくることになります。

また、同じ固定金利選択型の住宅ローンだったとしても、銀行や借入れするひとによって条件が違ってきます。
フラット35のつなぎ融資にかかる手数料や金利は、土地を自己資金で買うのかそうじゃないのか?によっても違ってくる事になります。

一般的にはこれらの経費は、銀行がオススメする固定金利選択型の住宅ローンは安くて、あまり銀行がオススメしてくれない固定の住宅ローンは高いものなのですが、金利に加えこれらの経費まで安いという理由から安易に固定金利選択型ローンを選んでしまう方が多いので、注意していただければと思います。

では、続いて『火災保険・地震保険』についてお伝えします。
火災保険については、損害保険会社によって違いがあり一概には言えないので、火災保険を選ぶ上で最低限の知識をお伝えしていきたいと思います。

まず、火災保険は『建物のみ』に入るか?あるいは『家財』にも入るのか?という選択肢があります。『家財』とは、テレビやソファなどのことですが、もちろん『家財』まで入ると保険料は高くなります。

そして次に、保証範囲によって支払う費用が違ってきます。
火災保険ですから、もちろん火災による被害には対応しているのですが、ここ最近では、自然災害による浸水被害が増えている事から『水災』による被害まで網羅される方が多くなっています。

そうなれば費用はもちろん上がってしまうのですが、このご時世ですから、少し土地が低いなと感じている方だけじゃなく、たとえ心配がない地域に住まわれる場合でも、多少費用かけてでも水災には対応しておくほうが無難かもしれませんね。

また、火災保険の価格は『建物の構造』によっても違ってきます。
少し意外かもしれませんが、実はこの建物の構造が、火災保険の価値を最も左右するんですよね。

木造住宅では、建物の構造は『耐火(T構造)』と『非耐火(H構造)』の2つに分類されます。
新聞広告やインターネットで見たことある方もいらっしゃるかもしれませんが、『省令準耐火構造』という構造が木造住宅では耐火構造(T構造)にあたります。

そして耐火なのか非耐火なのかで、火災保険の価格はなんと60%近くも変わってしまいます。パーセンテージでは、いまいちピンっと来ないでしょうから、数字でご説明させていただきます。

例えば、火災保険は10年間までは一括払いをする事ができるのですが、2000万円の建物で耐火と非耐火を比較してみると、あくまでザックリですが、耐火なら10年で15万円なのに対し、非耐火なら10年で35万もの費用がかかってきてしまいます。その差なんと役20万です...しかも10年で...

ですから、住宅会社でプランをしてもらう際には、その会社の建物の基本構造が、耐火なのか非耐火なのかをしっかり確認していただければと思います。
また、あなたが希望している事が耐火基準から外れることもあるので、その点も住宅会社に確認しつつプランをしてもらってください。

『地震保険』に関しては、ポイントが5つあります。
1つ目は、"どこの保険会社で加入しても条件が同じ"だということです。
2つ目は、"火災保険に入らなければ、地震保険単体では入れない"ということ。
3つ目は、"最長で5年なので、5年ごとに更新しなければいけない(1年ごとの更新も可)"ということ。
4つ目は、火災保険同様"耐火構造なのか非耐火構造なのかで保険料が60%近く変わってくる"ということ。
5つ目は、"最大で建物の価格の半分までしか保証してくれない"ということ。
つまり、もし地震が起こり、全壊したとしても、あなたが家を2000万で建てたとしたら1000万までしか保険がおりてこないということなんですよね。
ですから、地震保険さえかけていれば、地震が起こった時に建替えができるという勘違いだけは決してしないようにしていただければと思います。
地震保険は、当面の生活資金のための保険だという風に認識していただいていた方がいいでしょう。

『地震保険』は以上の5つを覚えておくようにしてください。

では最後に、『登記費用』についてお伝えしていきます。
登記に関しては、もしあなたが現金で家を建てる予定でいらっしゃるならば、その多くを省略することができます。
しかし、銀行で住宅ローンを借りて家を建てるのであれば、銀行があなたの土地や建物を担保として設定するようになる訳なので必要になってきます。

では、一体どんな登記が必要になるかをご説明します。

✔所有権移転登記・・・土地を買ったときに名義を売主から買主に移すための登記(土地から買って家づくりをする方は必要)

✔建物表示登記・・・新築したときに構造や面積、敷地との関係を示す登記(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)

✔建物保存登記・・・新築した家が自分の持ち物であるということを第三者に示すためする登記(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)

✔抵当権設定登記・・・融資した銀行が土地や家を担保に入れたことを第三者に示すための登記(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)

✔建物減失登記・・・建て替えするにあたり、もともと建っていた家を取り壊したことを証明するための登記(古い家を取り壊して家を建てる方は必要)

✔土地地目変更登記・・・畑や田んぼなどの農地であったり、雑種地といった宅地以外の土地を宅地に変更するための登記(宅地以外の地目の土地の上に家を建てる全ての方に必要)

とまあ、土地から買って家づくりをするのか?建て替えなのか?によって必要になる登記は違うのですが、この6つを覚えておいていただければ大丈夫かと思います。

いかがでしたか?
これであなたも諸経費についてご理解いただけたと思います。

全体予算から、これらの諸経費に加え、家具や家電、地盤改良費用、引っ越し代といったその他諸々の経費を差し引いていただければ、あなたが土地や家に掛けられる予算がより明確に出てくることになります。

これでようやく土地探しに進めることになるので、次回からは『土地探し』について詳しくお伝えしていきたいと思います。お楽しみに\(^_^)/_MG_0569.jpg