第三回 資金計画に失敗する3つの理由

では今回は、前回お伝えした資金計画に失敗する3つの理由についてお伝えしていきたいと思います。

少し長いですが、お付き合いいただければと思います。

まず1つ目の理由でもある、
『土地と建物以外の費用について、事前にしっかりと計算が出来ていない』ということについてからです。

家づくりを真剣に考えているあなたなら"諸費用"という言葉は聞いたことがありますよね?

でも、諸費用とは一体どういった費用なのか?ということについてまでは、具体的に理解されていないと思います。

実際、他の住宅会社を回ってこられた方に、
『土地と建物以外に、どういった費用がどのくらいかかるのか知っていますか?』という質問をすると、不思議なほど同じような答えが返ってきます。

『大体150万ぐらいですか?』という答えが...

おそらくこれは、家を買う時に絶対かかる"登記費用"や"火災保険"そして、"住宅ローン借入のための費用"の事を指すのだと思いますが、果たして土地と家以外にそれらの費用だけを負担すれば、本当に住めるようになるのでしょうか?

...そうですよね。ならないですよね。(-_-;)

その家に住めるようにするためには、土地を買って家を建ててからも必要なものがありますよね。

例えば、新居に合わせて購入するダイニングテーブル&チェアーのセットや、リビングに置くソファーやローテーブル、それからテレビボードなどの家具代金、また新居に移るまで買い替えを我慢しているテレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品などですね。

また、せっかく家を建てるのですからエクステリア(庭)だってキレイにしたいですよね。

さらには、今住んでいる所から移するための引っ越し費用だって必要になってきますよね。

この他にも購入する土地によっては必要になってくる費用が出てきたりするわけですし、
出るか出ないかは調査してみないと分かりませんが、地盤改良費用だって予算計上しておかないと、もしもの時に困ったことになってしまうので、忘れずに計上しておくべき費用ですよね。

これらの費用については、大なり小なり個人差がありますが、ざっと考えただけでもこれだけの項目があるので、家づくりでは、最初にこの細かい諸費用のことまでしっかり考えていないと、思わぬ出費が重なって、お金が足りなくなってしまったり、大幅な予算オーバーを招いてしまったりするんですよね。

ですから、『資金計画』をする際は、これらの費用を曖昧にではなく、できる限り具体的に算出していただければと思います。


では続いては、2つ目の理由の
『大事なお金のことを後出しする建築会社が多いため、建物にかかる具体的な金額が把握できない』という事についてお伝えしていきます。

あなたが、住宅展示場や見学会に参加されたことがあるなら、『この家はいくらですか?』という質問をしたことがあると思いますが、住宅会社によってその答えに大きな開きがあったりして、一体何が普通で正しいのか、何を基準にどう考えればいいのかが、いまいち分からなかったりしませんか?

実をいうと、住宅業界では価格表示の仕方について全く基準がありません。
つまり、
"住宅会社によって価格表示がバラバラである"
ということなのですが、この基準がないことで、全ての住宅会社が、安く見せようと思えば安く見せかける事が出来るし、高く見せようと思えば高く見せることだって出来てしまいます。(わざわざ高く見せかける会社は無いとおもいますが)

もう少し具体的にお伝えすると、少しでも多くのお客さんに来て欲しいと思ってる住宅会社は、チラシやホームページなどで、パッと目に入る価格を安く表示しようとします。
また、やたらと契約を急がすような住宅会社は、他の住宅会社よりも価格を安く感じさせるような見積りを作ります。
その価格だけでは住むどころか建つこともできないような...
そして、契約した後で、あるいは契約の一歩手前になって、いきなり別途費用について打ち明けられることになります。
これでは、予算が狂ってしまうので、後から困ったことになってしまいますよね...

また、多くの方の判断の基準の一つとなっている坪単価表示を競合している他社よりも安くみせかけるためのトリックを使う住宅会社もあります。

消費者心理を上手くついた作戦ですね。

このトリックはプロである私なら分かりますが、
初めて家づくりをされるあなたには、絶対に分からないと思います。

この坪単価トリックは、
✔延床面積と総施工面積の違い
✔尺モジュールとメーターモジュールの違い
✔本体価格と付帯価格とオプション価格
この3つを使って巧みにつくられているのですが、
これらについての詳しい説明は、ここで割愛させていただきます。

結論としては、安く見せかけることで、より多くの方を引きつけることはそう難しいことじゃなく、事実そうしている会社がすくなくないって事なんですよね。

何度も言うようですが、住宅会社は大事なお金の話を後出ししようとしがちです。
また、『安さ』以外の価値や家づくりで大切なことが伝えられないことから、『安さ』を売りにしてお得を感じてもらおうとしがちです。

だから、あなた自身がしっかりと知識をつけ惑わされないようにする事が大事です。

そして、あなたが住宅会社から最初に提示される『入口価格』だけで判断するのではなく、住めるようになる『出口価格』がいくらなのかをしっかりと把握した上で判断するようにしましょう。

そうすることで、契約した後、予想外の出費に悩まされることがなくなります。
予算オーバーし、頭を下げて親にお金を借りたり、お金の工面に四苦八苦しなくて済むようになります。
ですから、表示価格の安さに惑わされないように気をつけていただければなと思います。


では最後に、3つめの理由についてお伝えします。
それは『住宅ローン選び』です。
これが『資金計画』で失敗する最大の要因です。

家づくりにおいて、お金のことというのは、誰もが後回しのにしてしまいがちな事なのですが、とりわけ『住宅ローン』となると難しいとか理解しづらいといった理由から、最も後回しになりやすいのではないのでしょうか?

特に、面倒臭がりだったり、数字に苦手意識をお持ちの方などは、できれば避けて通りたい壁だと思います。(住宅営業の方でも無知な方がたくさんいるくらいですしね)

実際、『住宅ローン』は情報量が多い上、聞き慣れない言葉がたくさんあります。
ですが、ポイントさえ押さえれば決して難しい事ではありません。

きちんと理解していただく為にも、ゆっくりお伝えしていきたいと思います。
ちょっと取っ付きにくく難しく感じるかもしれませんが、じっくりと読んでいただけたらと思います。

それではまず質問です。

住宅ローンの種類って一体どれくらいあるでしょうか?
下記の中から選んでください。


1.約50種類
2.約500種類
3.約5000種類

さあ、どれでしょう!?

正解は...


3番です!!!

なんと5000種類もあるんです!
そしてあなたは、その中からあなたにピッタリの住宅ローンを1つだけ選ばなくてはいけません...
と聞くと、余計難しく感じさせてしまったかもしれませんが、その全てが全く違う商品なのか?というとそういう訳ではなく、実は大きく分けるとたったの3種類しかなく、それをそれぞれの金融機関が条件を変えてリリースしてるというだけです。

その3種類が何かというと、
"変動金利"と"固定金利選択型"と固定金利"です。
変動金利とは、その名の通り金利が変動していくもの。
固定金利選択型は、最初の一定期間だけ金利が固定されるもの。
固定金利とは、ずっと同じ金利が続いていくもの。

住宅ローン選びというのは、この3種類のうち
どれが自分にピッタリ合うかを考えて選ぶだけなんですよね。
という事で、そのために必要な知識について次回はお伝えしていきたいと思います。
お楽しみに(・ω・)♬_MG_0577.jpg